今から十数年前に友人からオブツーサ種のプルメリアをいただいたのが、プルメリアとの出会いでした。
オブツーサ種はルブラ種のプルメリアとは大きく異なり、冬場でも葉を落としにくいことや、花弁の厚さや形状が違うことなどが挙げられます。通年緑と花を感じられるので気に入っていましたが台風で見事にやられてしまい、それっきりとなっていました。
昨年再度プルメリアを育てるきっかけになったのが、ルブラ種の美しさと新しい品種の開発が非常に活発に行われているという点に着目してのリスタートとなりました。まずは、どの品種にするか考えて、一つのギャンブルに出てみました。
それは、種からの栽培を試みることを検討して、海外の幾つかのプルメリアファームのサイトをネットで閲覧して日本にあまり輸入されていない品種として、タイのプルメリアファームから品種『シャム・レインボー』の種子の輸入を行いました。
ちなみに海外から植物の輸入をする場合、土が付いていると輸入できませんが植え込み材料や根回りの包装材はテクニカルな部分がありますので根付きの植物は輸入が難しいとお考えください。そして、必ず検疫証明が必要になります。これを取得しないと最悪の場合、日本での検疫時に廃棄処分となります。種子であっても検疫証明は必要です。稀に封筒に入れて検疫証明なしでも届いてしまうことがありますが、これは違法行為になります。特に、最近ではヒアリの日本への入国問題が勃発している関係で検疫が厳しくなっていますので、必ず検疫証明をファームに要求する必要があります。
通関に関する諸事情については通関士の国家資格を持っていて、実際に業務に携わっていたことがあるので一番得意とする分野です。
また、今年の5月24日よりハワイ諸島、タイ、フィリピン等からプルメリア属の持ち帰りはできない旨の通達が植物検疫所からだされましたので、検疫証明についてもこの通達によって記載必要事項が変更されましたので個人輸入をされる方は十分に注意ください。
さて、昨年輸入したシャム・レインボーは実生2年苗となりました。昨年植えて、この夏でやっと1年となるので1年苗というのかと思っていましたが、2年苗になるみたいです。
現在6株が元気に育っています。ここまで成長させるノウハウもたくさん収穫させていただきました。
そして今年は、前述の検疫が厳しくなっている中、お客様からの輸入依頼品に合わせて自分用にハワイのプルメリアファームから挿し木用の苗木『レイ・レインボー』と『モイリリィ・ゴールド』、そして、『キモ』とハイブリッドの種子を輸入しました。検疫と通関に問題はなく先月到着しました。
キモの種子を水に浸して発芽を促進させています。
ハイブリッドの種子を水につけています。
太い茎から双葉が突き出ています。
ファーストロットは10日後迄には発芽。セカンドロットは7日後までに発芽。発芽率は100%。
発芽から約2週間の状態。
セカンドロットは成長が遅れ気味ですが、さすがにしっかりと管理されているファームの種なのでしっかりとして成長しています。
双葉に障害があって芽を出せない個体には、双葉上部をカットしてあげます。そうすると次の葉を出してきます。この障害は根の発育状態で判断して、発芽率を向上させます。
※このピーナツみたいな部分が本来双葉になります。
レイ・レインボーはしっかりと葉が出てきて茎のシワが取れたので、挿し木が無事に成功しました。挿し木用の個体を注文する時は切りたてで生き生きとしたものではなく、可能な限りシワが出ていてカルスが形成されている個体をお願いします。そして、しっかりと根がついて水を吸うことによってシワが消えます。
次から次へと葉になる芽が出てきています。
モイリリィ・ゴールドは葉こそ開いていませんが葉の芽が伸び始めています。こちらは、あと1週間ほどで挿し木の成功の結果が出るかと思います。
プルメリの近況報告でした。
では、良い週末を!
コメントを残す